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第二章・8
ことさらその白い腕を見せつけるように、昴は暁斗に杯を返した。
だが、暁斗は全く気に留める風でもなく、それを受け取った。
そして、昴の腕どころか、再び夜空の月を眺めては一人酒を飲んでいるのだ。
暁斗の目の前にちらつかせるように、昴は腕を伸ばしたり縮めたり、指を組んだりほどいたりしてみた。
だが暁斗はまったく興味のなさそうな顔つきで、月にまつわる伝説などを昴に説いてくる。
さすがにもどかしさを感じた昴は、こほんこほんと咳をしてみせた。
振り向く暁斗に、その美しい白い腕を伸ばしてくねらせて見せる。
どうだ、暁斗。僕の腕は、美しいだろう。触りたくなるだろう!
「咳などして、寒いのですか? 窓を閉めましょうか」
「暁斗!」
いいかげん焦れた昴の怒ったような声にも、暁斗はきょとんとしている。
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