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第二章・12

「よいのですか」  月明かりの下の昴は、密やかな夜の気配を息づかせている。  その首が、こくりとうなずいた。  ゆっくりと顔を近づけ、急に激しく噛みつくようなキスをした。  びくりと昴は強張ったが、そのまま唇を割り、乱暴に舌を捩じ込んだ。  深く唇を合わせ、その細くて甘い舌を舐め吸った。唇でしごきながら、何度も何度も吸った。  ほんの短い間唇を離すたびに、昴が心細そうな声で名を呼んでくる。  暁斗、暁斗と呼んでくる。  返事もせずに、ただ口を吸った。唇を、舌を貪った。

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