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第三章・4
だが、情事の翌日には、暁斗はなぜか会ってくれない。
日中には職務で顔を合わせるが、夜はダメだ。
必ずと言っていいほど、拒んでくる。
(なぜかな)
こう度重なると、昴も気づく。
そして、理由を知りたくなる。
この僕とも会えないほどの、何用があるのか、と。
だが、自分からそれを言い出すのは、なんだか疑い深く嫉妬深いようであるので黙っていた。
プライドが許さない。
それに、暁斗には暁斗の事情があるに違いない。
いろいろと考えるのも疲れる事なので、昴はそのまま眼を閉じた。
暁斗の胸の中で、ゆっくり眠りについた。
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