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第三章・5

 ぶどうがたくさん、夕食のデザートに出た。  暁斗にも分けてあげよう、と昴は執事の間を目指す。  大好きなぶどうは、以前なら全部独り占めして食べていたところだ。  それを、愛しい人に分けてあげようというのだ。 「なんて出来た恋人なんだろう、僕って」  浮き浮きとした足取りで、暁斗を訪ねた。  今日はオフの彼は夕刻の修練中だったらしく、木刀の素振りをしていた。  鍛え上げられた裸の上半身は、汗で光っている。  もう、ずいぶん長いこと木刀を振っているに違いない。  勤務時間内の訓練ではない。あくまで、暁斗の自発的なトレーニングだ。  暇を見つけては、自己を磨く事に余念のない暁斗。  そんな彼の、自律した精神が好きだった。

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