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第三章・11

「実は、今夜は遊郭へ行くつもりでした」 「なッ……!?」  言った途端、暁斗はぶどうの皮を顔面一杯に浴びていた。 「僕と寝た翌日に、妓館へ!? 最低だ、暁斗! 馬鹿! バカばか馬鹿ぁッ!」  手元にあったぶどうの皮を、力任せにじゃんじゃん投げつけてくる。 「まッ、待ってください! 昴様、話は最後まで聞いてください!」 「言い訳なんか、聞きたくない!」  口で言うより手の方が早い、と暁斗は素早く椅子から立ち上がり昴をしっかりと抱きしめた。 「離せ! 戻る!」 「いいから、聞いてください」  そっと耳朶を舐め、軽く噛んでくる暁斗。  熱い息がかかり、昴はもがくのをやめ、ぞくぞくと震えた。 「昴様と寝ても、私は一度も淫を吐いたことはありません。それは解かりますね?」 「うん……」 「ですがやはり、そこは私も男です。出さねば体にも精神にも悪うございます」 「そう、だね」

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