72 / 193
第三章・13
そんなそんな、と昴は慌てた。
指一本挿れられただけであんなに異物感にさいなまれるのに、暁斗の……あの長くて太いものをとなると……。
かっかと火照る昴の頬を両手で包み、暁斗は目線を合わせた。
「もちろん、無理にとは言いません。少しずつ、慣らしていきます。我慢できますか」
我慢。
我慢なんて、今までやったことがない。
さっきだって、ほら。ぶどうを一人でぱくぱく食べてしまったではないか。
でも……。
「暁斗、僕の内に挿れたい?」
「できれば」
「やれるようになったら、もう妓館へは行かない?」
「行く必要もございません」
じゃあ、と昴は顔を上げた。
暁斗は僕のものだ。
僕だけのものだ。
暁斗を独り占めできるのなら、どんな我慢だってしよう。
ともだちにシェアしよう!