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第三章・27

 技術は到底、玄人には及ばない。  だが、初々しい昴の愛撫は、暁斗を熱くさせた。  形のよい頭に手を置き、髪を撫でていると、安心したのか口の中に含ませてきた。  まだ半分も咥えてはいないが、それだけでも大きな進歩だ。  暁斗がそうするように、昴も唾液で湿らせた唇で表皮を扱いてくる。  舌先を絡め、舐めまわしてくる。 「ん……ふっ。んぅ、んん……」  口で施すことに興奮して息が上がったのか、密やかな喘ぎが聞こえてくる。  甘い息が、時折かかる。 「もう、結構です。これ以上は、いけません」  暁斗は、昴の頬に手をやり、そっと離した。 「気持ち、悦かった?」 「はい。出してしまいそうでした」  後は、昴に覆いかぶさって体中を愛撫した。  唇で吸い、舌で舐め上げ、掌で撫でさすった。  もうすぐ。  あと一息で、この美しい体を全て自分のものにできるのだ。  もうこのまま突っ込んでしまいたい気持ちをぐっと抑えて、暁斗は昴を愛した。

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