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第三章・32
身悶えながら、考えた。
今、指は何本挿入っているんだろう。
でも、異物感は感じない。
あれほど心地の悪かった愛撫が、今はただ快楽のみを運んでくる。
早く。
早く、あそこへ。
体内で一番感じる、あの部分へ。
そう思っても、暁斗はまるでわざとのように逸らしてくる。
腰を浮かせ、自分でそこに擦りつけようとしても、ふいと逃げて行ってしまう暁斗の指。
「んんぅ。やッ、ぃやッ」
泣きそうな昴の声に、暁斗は眩んだ。
物欲しそうな響き。
初めて聞く、昴の淫靡な声。
ゆっくりと、指を抜いた。
もう一度、ローションをたっぷり菊蕾に垂らすと、自らのものにも絡ませ、ひとつ扱いた。
「いきますよ。いいですね」
「うん」
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