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第三章・36
瞼の裏に、日の光を感じた。もう、夜が明けているのか。
髪を撫でてくる、優しい掌の感触。
暁斗。
暁斗が、隣にいてくれる。
「おはよう」
そっと眼を開け、昴は暁斗に朝の挨拶とキスをした。
「具合はどうですか?」
暁斗の言葉に、昴は少し身じろいだ。
体が重い。全身の力を、吸い取られたようだ。
「だるい……」
正直に、そう告白した。
なにせ、昨晩は初めてだったのだ。
記憶が飛ばなかったことが不思議なくらい、熱く激しい夜だった。
今は、ただお休みください、と暁斗は優しい言葉をかけてくれた。
ベッドから抱き上げて降ろしてくれたし、歩くこともままならないと解かれば抱いたままバスルームへ運んでくれた。
お湯で体を丁寧に清めてくれたし、タオルで体中拭き上げてくれた。
だのに。
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