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第四章・3

 そして、胸に飾った薔薇の色で、その日の気分を伝えてくるようになった。  白なら、今日は気が乗らない。  黒なら、今夜は許してあげる。  そして赤なら、その気になったら、ね。  昴が赤いバラを身につけているとなると、夜が来るまでにその気にさせなければならない。  面倒なことだ。  だが、そんな遊びも悪くない。  暁斗はスープの皿を取り上げながらも、今日はどうやって彼を乗り気にさせるかを思案していた。

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