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第五章・19

「では、参りましょうか」 「どこに?」 「寝所へ」  初夜を迎えに、と言う暁斗の言葉に昴はみるみる頬が赤く火照った。 「い、今さら! 別に、暁斗とは初めてじゃ……」  言い終わる前にひょいと横抱きされ、寝室へ連れ込まれた。  暴れるでもなく、喚くでもなく。  ただ、身が硬くなる。体が強張って、声も出せなくなる。  すっかり大人しくなってしまった昴をベッドに横たえると、暁斗は額に口づけた。  こめかみに、眼に、鼻に、顎。  喉に、左胸に、みぞおち。  肝、腎、そして、性器。  服を脱がせながら、ひとつひとつ丁寧に暁斗は昴の全身に唇を落としていった。  昴もまた口づけを受けながら、その意味を感じていた。  暁斗がキスしているところは、全て人体の急所だ。  そこに優しく触れることで、暁斗は絶対に僕を傷つけないと誓っているのだ。  

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