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第五章・26

 昴様と朝を迎える関係になってから、まめにキッチンに立つようになった。  料理が巧くなったような気もする。 「大抵、妻が朝餉を用意するのだがな」  そうぼやいたが、すぐにその考えを改めた。  しかし、俺と昴様は男同士。  どちらが妻で、どちらが夫かの区別などないのだ。 「俺は、昴様の嫁さんになったのか。そうか、そうか」  それもまた一興、と暁斗は卵を割った。  甘い香りが漂い始め、寝室へと入って行った。  かわいい夫を起こすべく、鼻をくすぐりに入って行った。

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