150 / 193
第六章・5
今、どこにいるのだろう。
今、何をしているのだろう。
浮気なんかしてたら、ただじゃおかないんだから。
「誰がバカでございますか?」
昴の小さな言葉をさとく拾った声に、若き主は飛び上がった。
ああ、そしてこの声は。
「暁斗!」
「只今戻りました。お元気ですか、というのは少し大袈裟でしょうか」
昴は近づいてくる暁斗にすぐさま抱きつきたい心地だったが、必死で抑えた。
先程の古川のように、誰がどこから見ているか解からないのだ。
ともだちにシェアしよう!