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第六章・7
「あ~、いい湯だった♪」
髪をタオルで拭いていると、ドアを叩く音がした。
「暁斗!?」
果たしてそこには、暁斗が立っている。
「何で!? 速いよ、ちょっと!」
「もう、日も暮れましたが」
は、と気づくと、辺りはすっかり宵闇だ。
掃除やお風呂に夢中になるうちに、時が過ぎてしまったのだ。
「ごめん。まだ、軽食の用意が」
「いえ、私も手伝います」
「本当!?」
二人で仲良くキッチンに立った。
料理などほとんどしなかった暁斗だったが、昴と付き合うようになってからずいぶんと腕が上がったものだ。
色鮮やかなカプレーゼにローストビーフ、エビをあしらったサガナキ。たっぷりの果物。
デザートは、暁斗が手土産に持ってきたカヌレだ。
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