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第六章・9
バラの香りのする清潔なベッドの上に腰を下ろし、暁斗は昴と向かい合った。
久々の昴様を前にすると、どうしてもSっ気が頭をもたげてくる。
「で、どういたしましょうか?」
「どう、って?」
きょとんとした昴の頬に手のひらを当て、暁斗は少し意地悪になってみた。
「昼間にお会いした時、何を考えていらっしゃいましたか? 私の事だと嬉しいのですが」
違う、というにはあまりに恋しかった。
10日以上会わなかったのだ。暁斗不足はピークに達していた。
「……うん」
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