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第六章・10

「私の姿を思っていたのですか」 「うん」 「他には?」 「声、とか」 「他には?」  そこで昴は暁斗の意地悪に焦れた。  この手は、頬に掛けられて。そして熱を伝えてくる。  ああ、早く。早く……。 「早く」 「ぅん? 早く、何でしょう」 「……暁斗のバカ」

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