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第六章・11

 そんな事を言わずに、と暁斗の両手が頬を挟んだ。 「さぁ、おねだりしてごらんなさい」 「早く……来て」  よくできました、と暁斗は昴をベッドに横たえ口づけした。  深く、強く唇を重ねてきつく吸った。 「っん。ぅんん、う」  もがくような仕草を見せたのは初めだけで、昴も暁斗に腕を伸ばして舌を絡めてきた。  どんどん乱れてくる呼吸と、唾液の鳴る音が静かな寝室に響く。

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