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第六章・21
『あぁッ、ダメッ! 気持ちいいの、キちゃう!』
……何て恥ずかしい事を口走ってしまったんだろう!
真っ赤になった昴。
これで大人しくなるかと思えば、暁斗に食ってかかった。
「僕は素直なんかじゃないし! だから暁斗も、僕の事を好きでなくってもいいよ!」
「素直な昴様は好きですが、ツンデレの昴様は愛し甲斐があります」
ああ、それでも暁斗の方が一枚上手なのだ。
「暁斗のバカ」
「それでいいのですよ」
こつん、と額と額を合わせ、どちらからともなく笑った。
そよ吹く風は、花の香りを運んできた。
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