171 / 193

第七章・5

「お二人でよく、共に花壇をいじっておられたでしょう。手伝いがおらぬと、物足りないものです」 「そ、そうだね。うん」  幸い二人が深い仲であることには、気づいていない様子。  ぎくしゃくと、昴は歩き始めた。  古川も、それに続く。  辛い時には、体を動かすに限る、などと言って。 「辛い時には、体を動かすに限ります。こうやって、散策するだけでも、ずいぶん違います」 「そう?」 「ことに、昴様は、この花園の恩人。花々も喜んで、あなた様を慰めましょう」

ともだちにシェアしよう!