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第七章・5
「お二人でよく、共に花壇をいじっておられたでしょう。手伝いがおらぬと、物足りないものです」
「そ、そうだね。うん」
幸い二人が深い仲であることには、気づいていない様子。
ぎくしゃくと、昴は歩き始めた。
古川も、それに続く。
辛い時には、体を動かすに限る、などと言って。
「辛い時には、体を動かすに限ります。こうやって、散策するだけでも、ずいぶん違います」
「そう?」
「ことに、昴様は、この花園の恩人。花々も喜んで、あなた様を慰めましょう」
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