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第七章・8

『辛い時には、体を動かすに限ります』  古川の言葉が思い出された。  そこで、ベッドの上で腹筋運動など始めてみたが、やはりむなしいだけなのでやめた。 『心は晴れましたでしょうか?』  古川の言葉が思い出された。  そう、そして僕は、こう答えたのだ。 『うん。今夜はよく眠れそうだ』  今夜はよく眠れるはずだ。昼間、あれだけ歩いて喋ったのだから。 「もう、寝よ」  昴は、毛布を被ると眠ってしまった。

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