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第七章・26

 とん、と軽やかな音を立てて、昴は大きなキャリーバッグを暁斗の前に置いた。  ちら、と暁斗は昴を見たが、美しい主はどこ吹く風だ。  もちろん、キャリーバッグを自分で持つ気など、さらさらないのだ。  やがて暁斗は、昴のバッグに手を掛けた。 「では、行きましょうか」 「出発!」  暁斗は出張後の休暇数日間を、昴との旅行にあてた。  もちろん昴が執事と二人きりで旅行することは難しかったのだが、そこは無理を通してもぎとった。

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