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第45話(*)
シャワーを別々に浴び(テラは一緒に入って洗いたがったが、ハナが断固拒否した)、互いにベッドルームへ戻ると、手を繋いだ。
「無断外泊、してもいいのか?」
「もう大人だし、平気です」
「そうか」
「十八歳になりましたし」
「では、きみが大人になったお祝いもしないとな」
バスローブに包まれた姿で、ベッドサイドに二人で座った。こういう時、どう振る舞えばいいのか、ハナにはわからなかった。テラは慣れた顔つきでハナの腰を抱くと、こめかみにひとつ、キスを落とす。
「あ──あの、」
「?」
くすぐったさを感じながら、ローブを脱がされそうになる前に、ハナはテラをそっと見上げた。
「膝に……乗らせてもらえませんか……?」
思い切って、そう言ってみる。
テラの顔をまじまじと見たら、恥ずかしくて心臓が破れてしまいそうだった。でも、膝に座れば、それが少しは緩和される気がする。
「……おいで」
テラは何かを理解したのか、クスリと笑うと、躊躇なくハナを膝の上に引き上げた。
「こうしてきみに触るのは、いつぶりだろう」
「あ……」
ハラリとバスローブの前が開ける。下着は付けていなかったため、腰の辺りでたわんでいる白いパイル生地が、少しむずむずした。
「今日はきみの中に入るから、少しつらいかもしれないよ……?」
テラが少し物騒な声音でそんなことを言ったが、うなじの傍を這うようなその声に、ハナは既視感と安心感を感じた。大丈夫、だと思った。
「いい、です……その、か、覚悟、できてますから……」
「素直でいい子だ」
そろり、と脇腹を撫でられる。テラの乾いた大きな掌に触れられるだけで、ハナは自分がかつてないほど昂ぶってしまうのがわかった。
「ん……っ」
両方の乳首をくるくると円を描くように弄ばれる。時々、つんと立ち上がった先端を擦るように指先で潰されたり、摘まれたりするうちに、そこは赤く色づいた果実のような色になっていった。
心臓がドキドキするのと同じ速さで、屹立が先走りの蜜をトロトロと零す。恥ずかしくて仕方がないが、いつも、テラに触られるたびに、ハナのそこは悦んでしまうのだった。
「ぁ……っ、は……ぁ、っ……」
しんと静まり返った空調の音さえしない室内に、ハナのかすかな溜め息が漏れる。身体中を愛したテラの指が、するりと前触れもなく、ハナの勃起した先端に触れた。刹那、ビュク、と太ももを震わせ、無言のまま出してしまう。
「──……っ! は……っ、はぁ……っ」
テラの指に、思わずハナが縋る。すると、テラはうなじに宥めるようなキスをして、そっと、これまで一度たりとも触れたことのなかった、ハナの後蕾を探ってきた。
「ふぁ……っ!」
「触る前には、言った方が良かったかな……?」
「ご、ごめ……なさ……っ」
真っ赤になったハナを背後から見下ろしたテラが、クン、と鼻をひくつかせた。
「ハナ、きみ、抑制剤は飲んでいる……?」
「あ、はい……。毎日、一応。今日も朝、飲んだはずなんですけど……っ」
「いい匂いがする」
「ぁ……っ」
うなじに鼻を埋められ、匂いを嗅がれると、恥じらいのあまり、クラクラと眩暈がした。
テラにされると、何でも気持ちが良くて、ひとりでいい気分になってしまうのが、恥ずかしかった。
突発発情を薬で抑えた場合、そのあと一週間ほどの間は、身体が慣れるまで、発情抑制剤を服用し続けなければならない。もし、抑制剤を飲み忘れると、その時点で遅らせたはずの突発発情が、薬の切れ目にきてしまう場合があるからだ。テラが言っているのはそのことだった。
「私としては、きみが淫らなのはとても嬉しいけれど……」
「あっ……」
テラがハナの腰を抱え直すと、グリ、と硬い感触──テラの隆起した感触が、尾てい骨を抉った。
「……どうも刺激が強すぎて、酷いことをしたくなってしまう」
「いい……です、酷く、しても……ぼく」
「駄目だよ。変な趣味に目覚めてしまったら、困るのはきみの方なんだから」
「で、でも……」
「でも、もしきみさえ良ければ、中を探らせてくれるか?」
「んっ……」
言われて頷くと、テラの指が、ハナの後蕾を突ついた。
「──濡れてるね……?」
「あっ……!」
ぐちゅ、と卑猥な音がする。ハナ自身、腹の中が熱い感じはしていたが、こんなふしだらな音がするほど潤んでいるとは思わず、耳まで真っ赤になった。
潤んだその場所は、テラの指を含まされても痛みはなかった。ただ、長いあの指が挿入っているのだと感じる、変な異物感がある。
「痛くない……?」
「ん、はい……っ」
ぬるりとした感触がしたと思うと、半分ぐらい捻られて、思わずぎゅっと締め付けてしまう。
すると、空いている方の指が、やにわに乳首の先端を弾いた。
「……っあ……!」
鮮やかな快感が、腰の奥まで駆け抜けてゆく。その刹那、身を捩ったわけでもないのに、ぐじゅ、と音がして、指がまた半回転させられ、ぱたた、と絨毯の上に、愛液が滴った。
「は……っ、ぁ、あ……っ」
耳を塞いでしまいたいほどの、卑猥な音が、ぬち、くちゅ、と指を入れららるたびに立つ。じんじんと、受け入れているところが疼いて、ハナは、頭がおかしくなりそうだった。
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