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次男 サハラ

俺は常磐サハラ。我が家は五人家族で両親と兄と弟が一人ずつ。みんな俺の大切な家族で宝物だ。 「カレンちゃんおかえり、今日街に出た時にダダンのタルト買ったから後でみんなで食べよ」 「あら!私のあそこのタルト大好きよー!」 「知ってる」 仕事から帰ってきたカレンちゃんにタルトの事を伝えるととても喜んでいた。最近仕事が立て込んでいて疲れているようだったから、ささやかなプレゼントのつもりだったので喜んだ顔が見れて俺も嬉しい。 「あ!サハラ!レイラと明日ストバスに行こうって言ってたんだけどどう?」 「久々にガッツリ運動したいよねー!」 居間に行くと兄のカエラと弟のレイラがソファに転がった姿のまま明日の予定を話していた。そういえば最近は雨が続いていてあまり出かけていなかったが、明日は久々の晴れ予報だったな。なら、 「明日は確かセカンドストリートの方でストバスの大会があるはずだよ。久々に三人で出ようか?」 「お!いいなそれ!」 「でるでるー!久々の大会だー!!」 雨で暇をしていた二人のためにいくつか好きそうなイベントを調べていたが、明日は天気が良さそうなので丁度いい。勿論俺もバスケは大好きだから楽しみだ。 「サハラ」 「十六弥君どうかした?」 晩御飯の後に十六弥君にちょいちょいと手招きされ近づく。兄弟の中で僅かの差ではあるが一番体格のいい俺よりも、身長も筋肉も一回りも二回りも違う父親の十六弥君。まだまだ子供の俺がかなう筈もないが、俺も大人になったら十六弥君のようになりたい。 「お前最近トレーニング変えただろ。いい感じに筋肉ついてんじゃん」 「この前十六弥君が教えてくれたのを最近実践中」 「また今度新しいの教えてやるよ」 そう言いわしゃわしゃと頭を豪快に撫でられる。身長も伸びどちらかと言うと普段なら弟のレイラや年下の従兄弟達など、頭を撫でる側にいるので何だか少し照れくさい。しかし、十六弥君に褒められるのは嬉しい。 「なーに照れてんだよ可愛いな」 「撫でるのも好きだけど撫でられるのも好きだなと思って」 基本的に俺は人に尽くしたいタイプ。甘えるより甘えられたい。でも、甘えるのが嫌いな訳では無い。 「なになに、サハラ今日は甘える日?ならお兄ちゃんも頭撫でちゃお!」 「じゃあ俺はハグしちゃうー!」 別に普段から甘えていないつもりはないが、カエラとレイラが嬉しそうに引っ付いてきた。二人とも可愛い。 「じゃあ私はキスしちゃうわ」 十六弥君の隣でにこにこ俺達の様子を見ていたカレンちゃんがチュッと口にキスをしてきた。俺の家族はみんな可愛すぎる。 その後カレンちゃん大好きなレイラが俺も!とカレンちゃんにキスをし、抱きついてご満悦な様子を見て癒される。そしてきっとそこに十六弥君が割り込んでいくはず。 「俺を入れずにいちゃついてんじゃねぇよ」 「に゙ゃっ!!」 ほら。レイラが脇腹を触られるのが苦手なのを知っていながらガッツリと鷲掴みにする様子につい苦笑いがもれる。誰よりも人を甘やかすのが得意なくせに、何故かレイラにだけはちょっと意地悪をしたがるのだから困ったものだ。抜け出そうと必死に藻掻くけど、力の差もあり全く身動きが取れていない。 「ぅうっ、も、無理っ!!やっ」 「ふははははっ」 苦手な攻撃から抜け出したいのに全く抜け出せず若干涙目のレイラ。そろそろ助けてあげないと仕舞いには本当に泣いてしまう。ぶっちゃけその後のレイラを全力で甘やかすのが俺は好きだが、泣かせるのは良くない。 俺のことを甘やかすのが一番得意な十六弥君は、一番甘えたがりのレイラを泣かせる。でもその後には全力で甘やかしにかかるのだから、おかしな話だ。まるで好きな子をいじめたがる子供のようだとたまに思う。 そうすると、やっぱり俺の家族はみんな可愛い。俺の最高の宝物だ。

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