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未知の体験

常磐レイラは今すごくパニック状態である。 「ぅあ・・・なにこれ」 いつもと同じように三つ子の兄であるカエラとサハラと同じベッドで眠りについたのは数時間前。普段なら眠りについたら朝までなかなか目を覚ますことのないはずのレイラが、夜中の3時という半端な時間に目を覚ました。 というのも、下着の中がしっとりと冷たく濡れているような気持ち悪さを感じたのだ。 そしてまだ寝起きでしっかりとは働かない頭のまま、その正体を確かめるべくおもむろに下半身へと手を伸ばし、固まった。 普段から冬以外は下着一枚の状態で寝るレイラが触れたそこは実際に湿っていた。その事に驚きまだ半分寝ていた脳が一気に覚醒したのがわかる。 (え、本当に濡れてる?・・・もしかして、おもらし?俺もう12歳なのに・・・) まさかの事態に起きたばかりのレイラの頭はついていっていない。しかし、もらしたにしては濡れ方がおかしい。じんわりと内側から湿るようなそれに、恐る恐る下着の中を覗き込んだ。すると、ねちょ・・・と若干の粘度のあるそれに更に驚き固まる。 手探りでベッドの端の間接照明をつけ、直接下着の中を確認する。 「ん、レイラ、どうしたの?まだ夜だよ・・・って!え!?どうしたのレイラ!?」 「・・・??二人ともどうし、!?レイラどうした!?」 レイラを挟むように隣で寝ていたカエラとサハラがごそごそと動くレイラに違和感を感じ目を覚ました。するとそこには大粒の涙を流すレイラの姿があり、驚きで飛び起きる。 「どうしたの?怖い夢でもみた?」 「どこか痛い?ん?」 「ぅ、ひッく・・・、カエラぁ、サハラぁ、ふぇ、、 ーーちんこから、何か出たぁ」 「「!!」」 照明を付けたことによって見えた光景にレイラのパニックは限界を超えた。自身の色素の薄いそこに付着する粘り気のある白い液体。見た事のないそれに驚き過ぎて気づいたら泣いていた。 「ぁ、え!?レイラ!これは大丈夫だから!」 「そうだレイラ、これは別に病気とかじゃないから!」 「ぅう、?っほんと、、?グス」 (本当に病気じゃない?でもこんなのなったことない・・・本当は知らない病気じゃないの?) テンパり過ぎているレイラの涙はなかなか止まらず、更にカエラとサハラは慌てる。その時静かに部屋のドアが開き、 「どうしたお前ら、こんな時間に起きてるなんて珍しい」 部屋を覗き込んだ父親の十六弥は中の様子にぎょっとした。 「ーーで、そういうわけかよ」 ベッドの上で膝にレイラを抱えて座りながらあやす様に背中をポンポンと叩く十六弥は、カエラ達の説明で状況を把握した。騒ぎの原因であるレイラはまだ若干ぐずぐずとしながらも目の前の大きな身体に抱きついている。 「驚かせやがって・・・レイラお前、まだ精通してなかったのかよ」 「???」 そう、下着が濡れていた正体は寝ている間にレイラが夢精していたのだった。もう少しで13歳をむかえるという、別に遅い訳では無いはずのタイミングでの精通。身体が大人に近づいた証拠である。 「病気じゃないの?」 「ちげぇよ。まあ、最初は驚くだろうけど、男なら誰でも通る道だ」 十六弥の言葉を聞いてやっとレイラの中の不安が和らいだ。 「つかカエラもサハラもとっくに精通してるだろ」 「え!!」 元々三つ子の中で一人小柄なレイラ、といってもあとの二人もまだまだ同世代の中では小柄な方だが。どうやらこちらの成長も二人より少しゆっくりだったようだ。ゆっくりと言っても半年くらいの差である。 「まあこれからはまたこんなことにならないように、定期的に自分で出しとけよ」 「出す?どうやって?」 「大好きなお兄ちゃんに教えてもらえ」 自分が教えても良いが、歳の近い、というか同い歳の兄弟に教えてもらうほうがいいだろうと思いそう言う。が、 「え、俺あんましてないからちゃんと教えてあげれるかな」 「俺も殆どしてないからな・・・」 「はぁ〜?お前らちゃんと処理してねぇのかよ。身体に悪いぞ」 どうやら身体は大人に近づいても、この兄弟はまだまだ中身はお子様なようだ。自他ともに認める色気魔人の十六弥の子供にしては随分と純粋に育ったらしい三人についため息が出る。 「教えてやるからちゃんとやれよ?」 この年頃ならそういうのに興味しかねぇもんじゃねぇの?と若干呆れる十六弥。

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