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第一章・2
大成功だ、とジンガラはひとり悦に入っていた。
癖のある黒髪をかきあげ、髭をざらりと撫でた。
そして、にやりと笑みを作った。
俺様の創った音楽。
これまでになかった全く新しいジャンルを確立し、大都市はもちろん国内のあらゆる地方コンサートまで、どこも大盛況だ。
そろそろ、国外へ。
母国のアポジャトゥーラを制覇したら、次は海外でその実力を試してみたくなる。
俺の音楽は、どこまで通用するのか。力試しがしたくなる。
「とは言っても、どこから攻めるかな~」
そんな独り言をぼやきながら街中をふらふら歩いていると、ふと自分を呼びとめる声がした。
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