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第一章・7

 奏者と聴衆が一体となって音楽を創るなんて!  感動する一方でパッサカリアは、ジンガラの持つカリスマ性の中に潜む、異質な力を感じ取っていた。  歌声に乗せて、脈打つパルス。  長時間浴びていると酩酊しそうな、妖しい響き。  魔術だ。  10000人に1人と言われる、魔術を持つ人間。  それが、この狭い空間に2人いる!  そう。  パッサカリアもまた、魔術を持つ人間の一人だった。  パッサカリアはすっかりのぼせあがり、見よう見まねで腕を振り上げたり、跳ね回ったりして周りに合わせてライブに乗って行った。  派手なロックあり、しっとりとしたバラードありと、プログラムは飽きの来ないよう巧く構成されており、アンコールまで終わった頃には、パッサカリアはすっかりジンガラのファンになっていた。

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