11 / 104

第一章・11

「……」  おとなしくなってしまったパッサカリアに、ジンガラは遠慮なく被さっていった。 「ん~、いい子いい子♪」  また舌を噛まれるのはごめんなので、ジンガラはもうキスは諦めその美しい肢体を味わうことにした。  白磁の肌は、絹のような手触り。舐めるとほのかに甘い味までするようだ。  それに、この何とも知れない良い香り。  これまで抱いてきた女や男の中でも、極上Sクラスの体だ。 (もしかして、いいとこのお坊ちゃんなのかな?)  しかし人間、どんな階級だろうがやることは一緒なのだ。 「俺様さ、こう見えてもフェアな主義。どういう人間でも差別はしねえから」  その言葉に、ひきつっていたパッサカリアの顔が、ようやく緩んだ。 「さっきの……歌でも、そんなこと言ってた」 「あぁ? もう覚えてくれたの? 全くファンはありがたいねぇ」  ぐりッ、とジンガラの太い指がパッサカリアの後膣に捻じ込まれた。 「んんぅッ!」 「キッツきつ。やっぱ、何か潤滑剤がいるかな~」  手近なテーブルにあったポケットウイスキーの瓶から酒を含むと、ジンガラはぷうッ! と霧状に吹いてパッサカリアの秘所を濡らした。 「コレなら、万が一傷がついても消毒できるだろ」  俺様、天才~、などといいながら、体内の指をどんどん増やしてゆくジンガラ。  抜き差しされるたびに恥辱と異物感がパッサカリアを襲ったが、眼を硬く閉じ、唇を噛んで耐えた。 「じゃあ、いくからね。カワイコちゃん♪」  引き抜かれた指の代わりに、別の硬いものがあてがわれてきた。 (もう、ダメだ……)  歯を食いしばり、パッサカリアは覚悟した。

ともだちにシェアしよう!