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第一章・13
「んっ、ん。ぅんん!」
「我慢しないで声出して。可愛い声、聞かせて♪」
ジンガラは、パッサカリアがリラックスできるよう、なるべく軽い口調で話しかけた。
レイプではないのだ。
これが初めてだというこの体に、悦楽を味わわせてあげたかった。
セックスは、気持ち悦いものなのだと、教えてあげたかった。
自分が一番かわいいはずだった、この俺様が。
相手の事を考えながら、腰を動かすことになっちまうなんて。
相変わらず固く噛みしめている唇に、キスをした。
先程舌を噛まれて痛い思いをしたというのに、そんなことはどうでもよくなっていた。
愛しい。可愛い。キスをしたい。
体を重ね、腰を動かしながらたっぷりと甘い甘いキスをした。
唾液の音がくちゅくちゅ鳴るほど、濡れたディープなキス。
「んっ、ん。は、ぁ、あ。はぁあ……」
唇が開けば、声が出た。自分でも信じられないくらい、甘い声が。
また、舌を噛んでやろうと思ったのだ。
でも、できない。
噛もうとしても、その舌が咥内を蠢くたびに気持ちが泡立つ。心地よさを、運んでくる。
「イイ感じになってきたね~。もう少し、速くいくよ~」
ジンガラの動きが、さらに激しく速くなった。
体内は、もう痛くない。
ただその動きに合わせて身を任せ、腰を震わせた。
「あぁっ! やッ、やッ、んぁああ!」
「おぉう、ようやくイイ声聞かせてくれたね。カワイコちゃん♪」
気持ちいい、気持ちいい。
私は一体。
心が、体が自分のものではなくなってしまったよう。
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