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第一章・23

 でも、あのぎょろりとした眼、ふてぶてしい態度を考えると、何とも言いがたい思いが胸にあふれてくる。  熱狂した音楽と、熱く火照らされた私の体。  事後に疼いた痛みすら、懐かしい。 「その男のライブに行ってみたいと思うのですが」 「何だと」  これまで自分から意見することなどなかった、あの人形のようなパッサカリアが願い事を。  いい傾向かもしれない、とフォルツァは連れ立って出かけることにした。  服装は庶民に合わせろ、お忍びで来い、警備は最小限で、と、やたらうるさい男の注文にいちいち怒りながらもフォルツァは準備を整え、その男・ジンガラのライブにパッサカリアと共に出かけていった。

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