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第一章・24
狭いライブハウスの中で、人に揉まれながらの立ち見は初めてなフォルツァがやたらそわそわしている中、どおん! と派手な爆発音が響いた。
もうもうとした七色のスモークをかきわけ、大柄な男の影が近づいてくる。
あぁ、あの時と同じ。
パッサカリアの胸は、わくわくとときめいていた。
そう、そしてこの後は。
まぶしいライトや、虹色の光の中に、白々と光る人間の頭蓋骨が次々に浮かび上がる。
耳をつんざくような轟音が鳴り止むと、ステージ中央には今夜の主役・ジンガラが姿を現した。
こいつらは、地獄に足を踏み入れた者たちの屍だぁ~!
……俺様のコレクション、すばらしいだろう!
「何だ、この歌は!?」
いや、これは歌なのか? 音楽なのか?
眼を白黒させるフォルツァだったが、隣のパッサカリアはこの国に来てまず見たこともないような喜びの表情を浮かべている。
おぉおおお! と割れるような歓声を上げる客と一緒になって、腕を振りまわしている。
俺様の~名を、言ってみろ~ッ!
ステージ上のジンガラが、マイクを観客席に向けると同時に。
「ジンガラ・さ~ま~ッ!」
パッサカリアは観客と共に、熱狂した。
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