29 / 104

第一章・29

 ひくん、とパッサカリアの体が跳ねた。  時々、こうして体内の一部分に指が当たるとひとりでに体が動く。  ひとりでに声が漏れる。 「あぁ! んぁ。はぁ、はぁ、あぁあ……」 「ここ、気持ちイイだろ?」  ぐちゅん、と音を立ててジンガラの太い指が体内を探る。  ローションでぐちゃぐちゃになったパッサカリアの後膣を、指で犯してくる。  内に今、指は何本入っているんだろう。  それぞれが、ばらばらの動きで責めてくる。奥深くまで、弄られる。 「あッ、あッ、もう、やめて。お願い、赦して」 「もう我慢できねえ、ってか? いいかげん欲しい、ってかぁ?」 「ちッ、違……あぁああ!」 「あ~あ、ぐちょぐちょのどろどろだよ、王子様」  パッサカリアは羞恥に身をよじった。  恥ずかしい。  恥ずかしい。  思えば、ジンガラと顔を合わせるのはこれでわずか二度目なだけなのだ。  それなのに、こんなに感じて漏らしてしまう自分がはしたない。 「うっ、ううっ、くっ……」 「あれ、泣かせちゃった」  泣くなよ~ぅ、とまた頬擦りしてくる。  一体どうして、この男はこんなに頬擦りが好きなのか。 「仕方ねえ。もっとイイ声で啼かせてやるよ」  指がようやく引き抜かれたが、すぐにもっと太くて硬いものが挿入ってきた。  つぷ、と先端を入れると浅いところで何度か出し入れし、ずん、と深く押し込んできた。 「んああぁああ!」 「ほ~ら、いい声♪」  奥まで貫かれ、勢いをつけて引き抜かれる。  内壁がそれにつられて擦られると、ぞくぞくする快感が這い登ってくる。  ギリギリまで抜かれ、再び挿れられる。  強く、激しく、腹の中まで突き通す勢いで、穿ってくる。 「ああッ! あ、あ、ああッ! あぁあ!」 「あぁ、すっげえカワイイ。もっと啼いて、姫♪」 「姫、じゃ……、なぃ……ッ」  でも姫だも~ん。俺のお姫様だも~ん、と歌うように軽口を叩きながら、ジンガラはずんずん突いてくる。  逆に調子づかせてしまったようだ。

ともだちにシェアしよう!