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第一章・34
初めてじゃない、と言いかけて、パッサカリアは唇を噛んだ。
フォルツァに。
フォルツァに、いろんなことをさせられた。
でも、それはもう過去の話。無かったことにしたい。
ジンガラと、新しい毎日を踏み出したい。
「悦い……」
「へ?」
「すごく、気持ち、悦いぃ……」
「パッサカリアちゃんんッ!」
ぎゅうと抱きしめ、腹側に突き立ててくるジンガラ。
内壁の敏感な部分に硬い先端が擦れ、そのたびに例えようもない快感が体中を走る。
「ぃやッ! あッあ! んあぁああ!」
「お風呂エッチ、最高~♪」
結局そのまま浴室で、二回も中出しされた。
ぐったりと脱力してしまったパッサカリアを、ジンガラは今度こそ真面目に洗ってくれた。
「私も……」
「ん?」
「私も、洗ってあげよう」
喜ぶかと思ったジンガラは、やけに真面目な顔で向き合ってきた。
「今は、いい」
「え?」
「そのうち、やってもらうけどね。今は、いい」
あぁ、とパッサカリアはジンガラの思いやりに気づいた。
きっと私が、フォルツァにどんな目に合わされてきたか勘付いているのだろう。
体を洗うような奉仕をさせると、辛い記憶を思い出すと感じてくれているに違いない。
「じゃあ、そのうち」
「うん」
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