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第二章・4

「お待たせ、パッサカリア。おいしいもの、買ってきたよん♪」  そう言ってジンガラは、車に待たせておいたパッサカリアに買ったばかりのアイスクリームを差し出した。 「これは?」 「アイスクリーム。食べたことくらい、あるだろ」  確かにアイスクリームくらい食べたことはある。  しかしそれはいつも銀の食器に乗せられて、果物やフルーツソース、ウエファーで飾られていた。  こんな三角のコーンに乗せてあるアイスクリームなど、生まれて初めて見るものだ。 「おもしろいな。これがアイスクリーム」  城で食べていたアイスクリームとは違い、色もポップで鮮やかだ。  この可愛らしいピンクはストロベリーだろう。  それから、もう一つの方にはハート形のチョコレートチップが入っている。  どちらも素敵に甘そうだ。

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