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第二章・17
「パッサカリア、コーヒーティストが好きならそっちのジャモカコーヒーなんてどう?」
「ジャモカコーヒーにアーモンドをあしらった、ジャモカアーモンドファッジもございます」
「夏だからさ、こっちのパパココナッツいいんじゃあない?」
「ココナッツでしたら、ハワイアンクランチもございますよ」
ジンガラとショップの青年、二人でサラウンドのように勧めてくる。
パッサカリアは困ってしまった。
どれもおいしそうだし食べてみたい。
でも、そんなにたくさんお腹には入らない。
「じゃあ……」
ずいッ、とジンガラと青年は思わず身を乗り出していた。
(ジャモカコーヒーとパパココナッツのダブル!)
(ジャモカアーモンドファッジとハワイアンクランチのダブル!)
男のプライドが火花を散らす。
「ダイキュリーアイスをシングルで」
「パッサカリアッ!」
「お客様ッ!」
男たちの落胆をよそに、パッサカリアは涼しい顔だ。
手渡されたアイスをご機嫌で舐めている。
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