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第二章・18

「ね、パッサカリア。一口交換しない?」 「いいよ。はい」 「ん~、おいしい♪ ね、ここ舐めてよ。俺様がかじったところ」 「やだ。汚い」 「ひど~い」  店内でいちゃつく美女と野獣。  青年はクスリと笑うと、コーヒーを二杯準備した。 「お客様、こちらをどうぞ。わたくしからの、ほんの気持ちです」 「おぉ! 気が利くな」 「ありがとう」  また来るよ、と言い残し、二人は去って行った。

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