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第二章・19

 言葉通り、ジンガラとパッサカリアはこのショップの常連になったが、青年にはひとつ気がかりな点がある。  時折、ジンガラがひとりで大量のアイスクリームを買って帰ることがあるのだ。 (まさか、お客様はあれで……アイスクリーム・プレイを!?)  美しいパッサカリアを思い出すと、心がざわめく。  俺も混ざりたい、との気持ちはぐっと抑えて、青年は今日もアイスクリームを売る。

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