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第三章・6

「ジンガラ」 「なぁに?」 「優しく、して」 「りょ~かい♪」  もう、あの男はいないのだ。  遠い異国に逃げ込んだ。  父に密かに現況を知らせると、すぐにこのアポジャトゥーラと同盟を結んでくれた。  強大な国家の後ろ盾があれば、私の小さな国にも、フォルツァはおいそれと手出しはできまい。    それで安心した、はずだった。  それなのに、今になってもまだこんな悪夢を見るなんて。  何か、悪いことの前触れでなければいいが。 「安心しろ、パッサカリア。何があっても、俺がついてるから」  心の中を見透かしたように、ジンガラが低く甘い声で囁いてくれる。  そう、彼がいてくれれば、何があっても乗り越えられる。   パッサカリアはようやく考え事をやめ、ジンガラの愛に応え始めた。  胸に顔を擦りつけられると、鬚が乳頭に触れてひどく感じる。 「んっ、ぅん。あ、ぁあ、はッ……」 「これ、好きでしょ」  後ろに指を突っ込んでかき回しながら、胸に頬ずりするジンガラ。  敏感なパッサカリアの体は、鬚で触れるだけで漏らしてくるのだ。  指でその露をすくい取ってぺろりと嘗めると、パッサカリアの脚を大きく掲げ上げた。 「あ、もう!?」 「ヤな事忘れるには、コレが一番だって!」 「んあぁッ! あッ、あッ、あぁあ!」  ずぶりずぶりと、奥深くに突き進んでくるジンガラ。  すぐに激しい抽送が始まり、パッサカリアは思いきり背を反らせた。

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