60 / 104
第三章・6
「ジンガラ」
「なぁに?」
「優しく、して」
「りょ~かい♪」
もう、あの男はいないのだ。
遠い異国に逃げ込んだ。
父に密かに現況を知らせると、すぐにこのアポジャトゥーラと同盟を結んでくれた。
強大な国家の後ろ盾があれば、私の小さな国にも、フォルツァはおいそれと手出しはできまい。
それで安心した、はずだった。
それなのに、今になってもまだこんな悪夢を見るなんて。
何か、悪いことの前触れでなければいいが。
「安心しろ、パッサカリア。何があっても、俺がついてるから」
心の中を見透かしたように、ジンガラが低く甘い声で囁いてくれる。
そう、彼がいてくれれば、何があっても乗り越えられる。
パッサカリアはようやく考え事をやめ、ジンガラの愛に応え始めた。
胸に顔を擦りつけられると、鬚が乳頭に触れてひどく感じる。
「んっ、ぅん。あ、ぁあ、はッ……」
「これ、好きでしょ」
後ろに指を突っ込んでかき回しながら、胸に頬ずりするジンガラ。
敏感なパッサカリアの体は、鬚で触れるだけで漏らしてくるのだ。
指でその露をすくい取ってぺろりと嘗めると、パッサカリアの脚を大きく掲げ上げた。
「あ、もう!?」
「ヤな事忘れるには、コレが一番だって!」
「んあぁッ! あッ、あッ、あぁあ!」
ずぶりずぶりと、奥深くに突き進んでくるジンガラ。
すぐに激しい抽送が始まり、パッサカリアは思いきり背を反らせた。
ともだちにシェアしよう!