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第三章・20
「ねねね、パッサカリアぁ」
その夜、ベッドに入ったジンガラは、すぐさま隣のパッサカリアに擦り寄った。
マンションに着いて、楽しかった、また行きたい、としきりにはしゃいでいたパッサカリアだったが、さすがに床に就くころになると疲れた様子を見せていた。
疲れたから、今夜はイヤ。
そんな返事だろうかな、とは思っていたが、遊園地でのワクワク感はジンガラをひどく昂ぶらせていた。
このままお寝んねなんて、もったいなかった。
「ぅん……ジンガラぁ……」
「あらら、はわわ! いいの? ね、いいの?」
はぁ、と熱いため息がひとつ。
潤んだ瞳は、全力でOKと言っている。
「うぅ~ん♪ パッサカリア、好き好き大好き~」
たちまちのうちにパジャマを脱がされながら、パッサカリアもまたひどく体を火照らせていた。
ジェットコースターでのスリル。
あの時感じた、ドキドキした気分が忘れられない。
大きな掌が、素肌を撫でる。柔らかな唇が、分厚い舌が、全身を舐めまわす。
「んッ。あッ、あぁんッ!」
はぁはぁと息を荒げながらパッサカリアの体にむしゃぶりつくジンガラだったが、ふと思い直した。
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