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第四章・7

 うるさいな、といった顔で、フォルツァは手にした銀のスプーンでゼリーを口にした。 「おやつを食べる時間くらいあろう」 「パッサカリア様どころか、そのおやつすら危ない状況でございます!」  今年、フォルツァの治めるブラヴラ王国は未曾有の大干ばつと洪水に襲われた。  穀倉地帯であるウラス平野はもとより、地方末端まで農作物が甚大な被害をこうむった。  国内の流通どころか、このままでは国民の口に入るものが無くなる、との危機的状況まで追い込まれているのだ。 「陛下の今お食べになっている、た○みのミックスゼリーも、生産をストップしましたぞ!」 「何ッ!?」  大好物の、どっさりミックスゼリー。  しかし、このフルーツは国内生産ではなかったはず。  緯度が北に位置するブラヴラは、暖かい地方で採れるフルーツなどをほとんで輸入で賄っているのだ。 「果物など買えば済む事ではないか。大げさな」 「ゼリーの中のパイン、オレンジ、黄桃、白桃。そして砂糖。すべて輸入品です。しかし、各国から経済制裁を受けている今、あらゆる食品が我が国に入りません」

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