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第四章・12
翌日、斬新な外観のデザインビル2階にある事務所に、パッサカリアはジンガラに連れられてやってきた。
広い窓で採光の多く取ってある明るい室内のソファにおとなしく座っていると、ドアが勢い良く開き、ヒールの音が鳴り響いた。
現れたのは、黒のテーラードスーツを着た長身の女性。
ジンガラの隣のパッサカリアをちらと見て、不機嫌そうに言い放った。
「仕事場に女を連れて来るのはよせと言ったはずだ」
「いや、マル子ちゃん。こう見えてもパッサカリアは男。それにさ、今回バックコーラスで入ってもらおうと思ってて!」
「マル子と言うのもやめろ」
私はマルカートだ、と言うその女性は、パッサカリアをじろりと眺めた後、もう一度ジンガラに問うた。
「コーラス? 使えるのか。程度によるぞ」
「いやもう、グンバツ! 最高だって!」
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