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第四章・19

 確かにデジタル変換された歌声でもっても、植物を育むだけの強大な魔術をパッサカリアが持っていると分かれば、食糧難に喘いでいる現在のブラヴラ王国は、フォルツァでなくとも手に入れたくなるだろう。  国益を招く、重要な人物として。 「俺はこの手を放したりしないから。パッサカリアを、余所にやったりしないから」  あぁ、それこそ私の聞きたかった返事。 「ありがとう、ジンガラ」  新譜の発売日は、明日。  それでも二人は、いつものように寄り添って寝た。  何が起きようと、俺はこいつを放さない。  そんな思いのジンガラの腕の中で、パッサカリアは眠りについた。

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