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第四章・23
「あれ!? パッサカリアちゃん、大丈夫!?」
「よかった……。ありがとう、ジンガラ。ありがと……」
後はもう、涙声で聞こえなくなってしまった。
「おぉ、よしよし。言ったろ? 絶対パッサカリアを、余所にやったりしないって」
半ば腰が抜けたように心もとないパッサカリアを、ジンガラはえいと横抱きした。
「や! ちょっと!」
「へへへ。王子様をお守りいたしました~♪」
もう、と照れながらも、まんざらでない表情のパッサカリア。
そのまま部屋に入ると、明かりを付けようとするジンガラの手を、そっと押さえた。
「ね、ジンガラ」
「何?」
「……抱いて」
へ? とジンガラは耳を疑った。
まさかまさかまさか、パッサカリアの方からおねだりコールがかかるとは!
「今、何て言った!?」
「何度も言わせないで」
恥じらうパッサカリアが可愛い。
もう、あんな事やこんな事してやりたいくらい、可愛くて仕方がない。
ジンガラはパッサカリアを抱えたまま、足でどんどんドアを蹴破りながら寝室へ直行した。
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