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匂い
何なんだよ、こいつ。
俺とよくぶつかる奴がいる。
クラスの奴だが、暗そうな、俺は話したこともない奴だ。
最初の内は、ぶつかるたびに俺のせいかもと思って俺が謝っていた。
奴はいつも何も答えず、にやっと笑って去って行く。
そんな事が数か月も続くと、最近ではもうぶつかっても奴だとわかっているので、見る事も謝る事もせずに無視していた。
しかし視線の端に映る奴は、相も変わらずにやっと笑っていた。
今日も数回あいつとぶつかった。いや、ぶつかって来た。
「マジでムカつくんだよ!言いたい事があんならはっきり言えってんだよ!あぁ、くそっ!!」
放課後の人のいない静かな廊下で悪態をつく。
ノート提出を忘れ、放課後に居残りをさせられた俺を、仲間はそれを笑いながらお先ぃと言って帰って行った。
「あいつらも一人くらい付き合えよな…ん?」
教室の扉の窓に、人影が見えた。
なんだかんだ言って、待っててくれたのか。
「待たせて悪かったな!」
扉をガラッと開けると奴が俺の椅子に座っていた。俺の体操着を握り、鼻にくっつけて匂いを嗅いでいる。もう片方の手が、前…ではなく後ろを弄っていた。
「マジ…かよ…って、ふざけてんじゃねーぞ!」
奴は体操着を落とし、椅子から立ち上がろうとするが、弄っていた指が抜けずに、そのまま無様にもうつ伏せでこけた。
「ご…ごめっ!!ごめんなさいっ!!」
芋虫のように腰を動かして逃げようとする。
その前に立ち塞がり、絶望した目で見上げる奴の背中に乗っかると、体重をかけて体を床に押し付けた。
「いい格好だな…おい、俺の匂いを嗅いでどこ弄ってんだよ?!あぁ?ふざけんな!」
ぐいっとズボンを下げると、穴に突っ込んだままの指を出そうともがいてるのが見えた。
それを見て、今までの怒りが湧き上がって来た。
「そのまま続けろ。」
冷淡な声で命令する。
「え?」
「そのままそこを弄れって言ってんだよ!」
「…っ!?」
躊躇するその手首を掴み、穴の中に押し込んだ。
「あぁっ!やめっ…あっ!あぁっ!」
最初こそ嫌がっていたが、すぐに俺のその出し入れするのに合わせて声を喘がせ、腰を揺らす。
ついには俺の手を離してもそれは動きを止めず、さらに指の本数を増やしていった。
「見られててこんなんできるとか…マジで変態かよ!?」
呆れて乗っていた背中から立とうとすると、奴の手が俺の足首を握った。
ブルっと身震いがして手から引き抜こうとするが、思いのほか力が強い。
「君の匂いが好きなんだ。どうかこのまま僕の上に乗っかっていてくれ…まるで君の匂いに包まれているようで、最高に興奮する!」
「はぁ?!そんなん知らねーよ!俺はお前みたいな変態に付き合っている暇はないんだよ…さっさと手を離せ!」
足を蹴るように前に勢いよく出すと、やつの手が外れた。
一歩踏み出したのを今度は両手で掴まれた。
「後ろを弄った手で俺に触んな!」
「挿れていいからっ!」
「はぁ?!」
蹴り上げようとした足が止まる。
「僕の後ろの穴に君のソレを挿れていいから!!」
好奇心があった。
女との経験はあるが、後ろは嫌がられてまだ一度もした事がない。時々、経験した奴にいいぞと聞くが、その機会はなかった。
穴は穴か…。
ふっと笑うと、椅子に座った。屈んで奴の髪を一房掴んで顔を上げさせる。
「くぅっ!」
奴の顔が苦痛に歪む。
その顔に近付き囁いた。
「頼み方間違えてんじゃ…ねーよっ!!」
顔をもう一段上げさせる。
俺の股間に奴の顔をぐっとこすりつけた。
「た・の・み・か・た…んん?」
奴が股間に顔をうずめると、ジーッと口で俺のジッパーを下げる。
鼻を擦りつけて下着をかき分け、俺のをその口に咥えた。
「んっ…」
ぬるっとした舌と、口の中の温かさに声が出た。
「ほれで、いい?」
咥えたままで奴が問いかける。
「あぁ。」
思いのほか奴の口の中が気持ちよく、ここでこれなら後ろはもっと…。
そう考えてごくりと喉が鳴った。
奴の口の中で与えられる刺激で俺のが膨れ上がり、準備が出来たことが分かる。
頬をぐっと掴んで俺のを奴の口から出した。
奴の唾液でぬらぬらとてかる俺のを喉を鳴らしてとろんとした目で見つめる奴に、無言で腰を突き出す。
奴がハッと気がついたようにそそくさと立ち上がり、俺のズボンと下着を脱がせ、自分のも脱ぎ去ると、俺とは逆向きになってその尻の両端を持った。
「挿れて…よろしいですか?」
首をこちらに向けると俺に尋ねた。
「そんなにこれが欲しいのかよ?」
「欲しいです。僕のこのはしたない後ろの穴にあなたのそれを突っ込ませて下さい!」
「必死すぎだろ?…ほら、座れよ。」
その意味を分かった奴が、パッと顔を明るくさせると穴をぐいっと広げて俺の先端に当て、ぐぐぐっと腰を落とす。
「あぁあっ!おっき…いぃっ!あぁっ!…っつぅぅあぁぁあぅ!」
半分も入らずに、その腰が止まった。
「おい、もっと座れ!腰を落とせよ!!」
「待って…きつく…て…」
「甘えてんじゃねーよ!おら、座れよ!!」
そう言って俺の手を奴の肩に乗せ、ぐぐっと押さえつけた。
「あぁぁあっ!!やめっ…やめてぇ!くぅうっ!あぁっ!」
「ほら、もう少し。」
そう言って今度は俺の腰をぐっと押し付けた。
ぎゅうっと奴の中が動く。
「くぅっ、絞ってんじゃ…ねぇよ。」
「いっ!ああぁぁっ!!だめ!根元まで入れたら…あぁっ!…っるしっ!苦しいっ!!あぁっ!」
俺のが奴の体の中に隠れた。
その苦痛の波を逃すように俺の膝に手を乗せて、肩でハアハアと息をする。
そんな奴の両ひざの下に腕を入れると、非情にもぐいっと引き上げた。
「いっ…あーーーーーーーっ!!…っごかない…で…あぁっ!やめ…っ!!ああっ!」
仰け反った体が痙攣し、奴が床を汚していた。
「挿れただけでイったのかよ…!?」
「はぁはぁ…みだから、君のだから…あぁっ!」
奴が腰を動かし出す。
その刺激で俺のが奴の中で大きくなった。
「あぁっ!僕の中…君でいっぱいだ…君の匂いが僕の中から…もっと僕に君の匂いを頂戴!」
奴が腰をぐいぐいと擦り付けてきた。
くそっ!もっていかれちまうっ!!
奴に主導権を握られているようでイラついた。
どっちが上か分からせてやる!
「誰が動いていいって言った?勝手にイっていいって言った?」
椅子から立ち上がると、机を動かして奴の前に置く。
「手ェ、つけよ。」
言われた通りにした奴の腰を掴むと、荒々しく腰を打ちつけた。
「あぁっ!そんなっ…うご…いやぁっ!壊…れちゃっ!あっ!やぁっ…くぅよぉ!イっちゃう!あぁっ!イかせ…ってぇーーっ!!」
奴の中が俺を刺激し、一段と膨らむ。
「ひあぁぁっ!」
奴が机に突っ伏して、その端を握る。
「まだ…イくんじゃねぇ…ぞ!」
手を片方掴むと、ぐいっと俺の方に引っ張り、体を上げさせる。
「いやぁっ!あぁ…あーーーーーっ」
俺のが奴の体に飲み込まれていく。
奥まで突き上げると、その勢いのまま一気に腰を動かし、奴が欲しがっていた俺の匂いで体の中を満たしてやった。
ずるずると机から滑り落ちて床に転がり、その穴から俺の出した白濁の液体を垂れ流したままでいる奴を見下ろす。
いいおもちゃを手に入れた。
これで当分は学校も飽きねぇな。
ニヤッと笑って、その腰を掴んだ。
ようやく彼を手に入れた。体の中から香ってくる彼の匂いに包まれた僕の視線の先には、彼の犯した罪の証拠となるスマホが見える。
君はもう僕から逃げられないんだよ。
くすっと笑うと、伸びてくる彼の腕を感じながら、目を閉じた。
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