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第18話
「と、冬夜!」
俺は這いつくばったまま、驚きに声を上げた。冬夜は俺を見てニヤリと笑う。
「ふーん、クロ、生徒かと思ったけど、何そのかっこ?事務員??用務員?どうりで見つからないわけだ。」
「…………と、冬夜!!会いたかった!」
「……」
俺はガバリと冬夜に抱きついた。冬夜は意外そうに目を見開いた。
「…………へ〜。いっぱいお仕置きしようと思ったのに、もう素直なの?」
「え、なんっ、お、おしおき?!…そんな……!俺、ずっと、冬夜には会いたかった…!」
「ふーん……。」
当然、口から出任せだった。しかし、黙っててもらうには、なんとか丸め込むしかない。…いずれにしろ、冬夜は煌を裏切らないだろう。いつかはバラされる。しかし冬夜の性格からして、きっと少しの間遊ぶはずだ。その間が勝負だ…。その間に、スマホを取り返し、あの扉について調べる。そしてまた、煌達にバラされる前に逃げる。
「本当かなぁ〜?」
「……。」
冬夜は嫌らしく笑う。きっと、冬夜は気付いているんだろう。
「じゃぁ、証明して。」
「え、証明って……。」
「舐めて。」
「……。」
何処を、なんて、馬鹿な質問だ。冬夜はにっこりと天使のような笑顔を浮かべた。対する俺は固まった。大体、変態行為をされても俺がする事はほぼなかった。ていうか、そんな要求死ぬ程抵抗したし。
「……ここ、いつ煌達が戻ってくるか分からないし…さ……。俺、冬夜と2人がいい。」
「そうだね。クロ、すんごいいい匂いするし、ここに長く居たらバレそうだしね。」
「…うん。」
そう言って、冬夜は笑顔を浮かべ俺に手を差し出してきた。手をつかめって事だろう。俺は素直に頷き、その手を取った。
「じゃ、行こうか。」
「え」
「場所を変えれば、出来るよね?」
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そして連れてこられたのは体育倉庫。「学生がやるとしたらここって感じでいいよね。」相変わらず、見た目が小綺麗な割に、脳内と発言が下衆だ…。
「はぁ〜、まじかぁ、ふふっ……、いい眺め♡」
「う゛、うぅ……っ!」
冬夜がうっとりとした顔で俺を見下ろし、俺の頭を撫でた。俺は冬夜の前に跪き、えずきながら必死に冬夜のものを口に含んだ。フェラだ。
「しかし、絵的に良いだけで全然気持ちよくないな。…ま、これは仕込みようがなかったからな……。ははっ、どんだけ追い込んでも、フェラはすっごい拒否してたもんね。」
そう言って、ぬぽんっと嫌な音を立てて、俺の口から冬夜のものが引き抜かれる。
「はぁっ、はぁっはぁっ…。」
「はは、苦しかった?ごめんね。大丈夫〜、次はクロも気持ちよくしてやるから。」
「…え」
「ほらっ、」
そう言って冬夜は俺を無理矢理立たせた。そして、俺のズボンと下着を下げてくる。
「な、なにし……!!」
不安になり冬夜に問いかけると、冬夜が俺の手を掴み、俺の指を俺の口に突っ込んでくる。
「はい。じゃぁ、俺がゴム付けて、5秒数える間だけ、後解かしていいから。」
「ふぁ?」
冬夜はゴソゴソとポケットを漁る。俺は口に自分の指を突っ込んだアホづらのまま、呆然となる。
「いや、だって、クロに逃げられて俺も結構ムカついたし。」
そう言って冬夜は取り出したコンドームを自身に付け始める。
「お仕置きも多少はしとかないとかなーって。」
「だから、それは…っ!」
「はーい、ゴム装着完了。カウント入るよー。」
「え、まっ「5」」
俺は慌てて後に手を伸ばす。昔は羞恥心とか何って境地だったが、久しぶりで人前でこんな…躊躇してしまう。
「4」
「ちょっと、そんな、」
「3」
にじりにじりと、冬夜が近寄ってくる。いやいや、5秒って…。
「まって」
「2」
ニヤニヤしながら、俺の腰に手をかける。え、まじで?
「1」
「ちょっ、まだ「はい、挿入ー。」」
「っ、…いっ!!」
冬夜は俺に強引に挿入してくる。5秒なんて解かす時間ないに等しい。案の定全く解かされてない後ろの穴は、悲鳴を上げる。
「無理無理っ!いっだっっ!やめっ…!」
「ははっ、きっつー。」
メリメリか?ミシミシか??何にしろ尻が、さける…!冷や汗を通り越し、脂汗をかく俺を尻目に、冬夜は呑気に、いや寧ろ心底楽しそうに笑う。本当、鬼だろ。
「と、冬夜!」
「ん?なに〜?」
「……っ、俺のっ!っ、と、解かすとこっ、見て!み、……い゛っっ、み、て……っ!!す、好きだろ??」
「は〜、そうきたか…。」
俺は息も絶え絶えに、そして媚びるように言う。そんな俺を、冬夜は挿入を一時止め見つめてくる。冬夜は、煌や柊みたいに際限ない訳じゃない。脳内終わってても、そこだけは普通で、それが唯一の救いって奴だ。だから玩具が好きだし、俺に自分でやらせるのも好きな変態だ。
「ま、俺も、愛しいクロの、大事なおケツ、折角会えたのにぶっ壊したくはないし……そんな可愛くおねだりされたらな。どーしよ。」
強請ってねーわ。自衛だわ。おケツとか言うなし。
いちいち言い回しは引っかかるが、とりあえず食いついてきた…。コイツら相手にプライドどうのなんて悠長な事は言ってられない。
「冬夜!俺、明日も、冬夜としたいから、…ね?冬夜も、したいだろ?」
「うーん。そうね……。じゃ、やっていいよ〜。」
「ん、…だっっ!」
そう言うと、冬夜は何とか腰を引いてくれた。…い、痛い…。めっちゃ痛い…。これから触るのも億劫になる程度に、痛い…。しかし、とりあえずは助かった。
「はい。クロ、お座り。…ははっ、また首輪持ってくれば良かったね?」
「……」
あと、そう。まだあった。コイツらと付き合うコツ。一個一個、腹立つ事に腹を立てるのもダメだ。そんな事していたら、キリが無い。おかげで俺のスルースキルは高いんだ。
冬夜は上機嫌で、ペットに言うように俺を自分の前に座らせ、その前に自分も座る。
「んっ、…っ」
「足閉じないでね〜。見えない。」
「ふーっ」
冬夜は座り込み、頬杖をついて俺を見つめた。
そんな中、ぐちゅぐちゅと俺は自分の後ろを弄る。Ωとか言うやつのせい?ずっと思っていたが、触ると後ろから訳わからん液出てくる。はぁ、Ωで良かったと思う日が来るとは…。
「はぁ〜、やーらし♡」
「ふっ……っ!ふぅっつ、」
「ね、クロって、Ωなんだって?クロのΩって、随分やらしくて可愛いね。」
「んっ、……っ!」
解かしてる最中に話しかけるなよ…。集中させろ。俺はそんな冬夜の発言も無視し、解かし続けた。
「あー、やっべ、なんか、クロの匂い凄いするな。えっちな匂い。そんな匂いさせたら、柊にヤリ殺されるぞ。」
なんだよ、えっちな匂いって。本当、卑猥な奴だな。あと、最後の方。冗談にしても怖すぎる…。
「はぁ、ダメー。俺も、もう、我慢出来ない。」
「あっ、ちょ、まだっ…」
スルーし過ぎてて、気づかなかった。いつの間にか冬夜は俺の肩を掴み、のしかかってくる。見たところ、大変興奮してらっしゃる。まじか…。もう少し、解かしたかった。
「んんっっ!!」
「はぁーー。やっべ。すんごい、気持ちい〜〜!1年ぶり。」
冬夜は挿入するなり直ぐに激しく動いてくる。ちょっと痛かったが、それもすぐに痛みを上回る快感で流されてしまう。
「んっ、……はっやっ、ぐっ、んんっ!ーーーっ!」
「ははっ、本当、クロは直ぐいっちゃうもんな?可愛い。ほんと、すきー。」
「ふっ、…っ、ならっ、とま、れっ!」
「えー、好きなの子の事は虐めたくなるタチだから、無理。」
冬夜はそう言って、キスをしてきた。俺の後は切れるどころか、ぐちょぐちょと恥ずかしい音をたてる。
「んっ、〜〜〜っっ!」
「あはっ、連続?なんか、クロが可愛すぎてっ、はぁ、直ぐに許しちゃいそう…。ほら、おっぱいも、気持ち良いとこ、触ってあげる。」
「うゎっ!…っつ!!〜っ!やめっ、〜〜っ!!」
また俺は大きくガクついた。何から何まで、自分の体を知り尽くすしてる奴は本当に厄介だ…。
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