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ブレイズ、みんなで竜介をお祝いする・4

「で、でもアレですよね。竜介さんは、大雅とすごく仲良いですよね」 「ああ、大雅とは他のメンバーより一緒にいた時間が長いからな。あの性格だからあまり人に対して心を開かないが、そんな大雅に頼ってもらえるというのは俺としても嬉しいよ」 「大雅のことは可愛い弟って感じですか?」 「ああ。……いや、うーん……どうだろうな……」  いきなり竜介が言葉に詰まり始めて、何故か俺にも緊張が走った。次の竜介の言葉で全てが決まる……そんな気がしたからだ。 「弟っていう感じも間違ってはいないんだが、その……弟には欲情しないだろ」 「あ」 「大雅は努力家だから、よく撮影の練習を俺に頼んでくるが……心のどこかで、それを楽しみにしてる自分もいる。あいつには内緒だぞ。そんな不純な動機で練習に付き合ってるなんて大雅が知ったら、間違いなく怒られるからな」 「………」  心の中心に、ポッと可愛い花が咲いた瞬間だった。 「大雅のことを好きかと言われたら当然好きだが、恋愛よりも絆って感じかな。もちろんお前を含めてブレイズのメンバーにも同じ感情は持っている。だが大雅とセックスする時は、……うーん、撮影の時とは違う意味で本気になるっていうか、最速で勃つっていうか」 「も、もう大丈夫です。よく分かりましたから!」  久々に鼻血が出そうになり、俺は慌てて缶のコーラをがぶ飲みした。  ──竜介みたいな大人でも、自分の気持ちに気付かない場合ってあるんだな。  竜介は大雅に特別な感情を持っている。ただ、それが「恋」だということに気付いていないだけだ。  恐らくは、それが竜介にとっての「初恋」だから。 「……はあぁぁぁん」 「お、おい亜利馬。どうした? 具合悪いのか?」 「む、胸が締め付けられます……」 「大丈夫かっ?」  ともあれ、これで竜介の気持ちは理解できた。  不器用同士の恋。甘酸っぱくて、まるで中学生みたいな恋愛だ。 「竜介さん、これもっと食べてくださいね」 「おお、ありがとう」  だけど不器用なだけに、丁寧にそっと扱わないと壊れてしまいそうでもある。これはもう第三者がワーワー言う必要なんてなくて、二人で大事に育ててもらうのが一番良い。 「大雅は可愛いですもんね。ああ見えて、いつも一生懸命だし」 「そうだな。あいつが隅で黙ってるとつい構いたくなる。じっくり接すれば色々喋ってくれるからな、決して暗い奴じゃない」 「それに、あの真っ白な肌とすっきりした体がまた……」 「ああ。内股の柔らかいところに舌を這わせると腰が浮いて、甘い声が……」 「た、勃っちゃいます竜介さん……」 「ははは。もう少し聞け、亜利馬。大雅のヘソと脇腹をゆっくり愛撫して、それから焦らすように乳首に舌を──」 「はああぁえろすぎるううぅぅ」 「……何喋ってるの」 「ぅぅうわああぁぁ──ッ!」  突然背後から大雅の顔が現れて、俺は椅子から飛び上がった。 「た、大雅!」 「お疲れ、大雅」  見れば竜介はテーブルに頬杖をつき、ニヤニヤと笑っている。大雅が入室してきたのを知っていて、俺の反応を見るためにわざとエロい話を続けたんだ。

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