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亜利馬、カメラを回して目も回す・2

 撮影第一日目。ターゲットはブレイズのリーダー・獅琉。 「獅琉くん、髪すごい綺麗になってる。美容院行ってきた?」  インヘルの専属ヘアメイクの雄二さんが、獅琉の髪を弄りながら笑っている。撮影部屋には彼ら二人以外に誰もいない……俺を除いて。 「うん、昨日ね。ヘッドスパとちょっと高めのトリートメントもしてもらったんだ」 「柔らかいなぁ。獅琉くん癖っ毛だけど、ちゃんとケアしてあげるとすごく良くなるよね、まとまりやすいし」 「あはは。それは雄二さんのヘアメが上手いから」  イケメン二人の会話を盗み聞きしながら、俺はクローゼットの中で撮影班に借りたハンディカムの電源を入れた。 〈亜利馬くん。そろそろスタンバイしてください〉  インカムを通して撮影班の指示が飛んでくる。  ほんの少し開いたクローゼットの隙間からカメラを構えれば、何だか俺の方が緊張してきて手に汗が滲んだ。 「それじゃあ獅琉くん、お茶買って来るからちょっと待っててね」 「はい」  雄二さんが部屋を出て、獅琉がテーブルの上の雑誌を捲り始めた。  しばしの沈黙。 「っ……」  突然撮影部屋のドアが開き、三人の覆面男が中に入ってきた。 「わっ、な、何っ……?」  椅子に座っていた獅琉が男に担ぎ上げられ、撮影用のベッドに押し倒される。 「ちょっと、誰だよっ? えっ、こ、これが今日の撮影っ……?」  動揺している獅琉のシャツが捲られ、ベルトが外され、ズボンが下ろされる。 「やっ、ちょっと……! だめだめっ、何してるのお兄さん達っ、……あ」  俺はカメラを回しながら息を荒くさせ、男達に翻弄され喘ぐ獅琉を凝視していた。  白い肌が六本の手に撫で回されている。体のあちこちが摘ままれ、くすぐられ、握られている。 「あ、あぁ……何だよっ、……気持ちいい、……あっあ、そこだめ……」  いやらしい音と共に扱かれる獅琉のそこから目が離せなくて、俺はカメラを構えつつ自分の股間に手をあてた。……めちゃくちゃ硬くなってるし。 「し、扱かれたらイッちゃうから、……! やめ、……あぁっ、あ……!」  あの優しい獅琉が、頼れる俺達のリーダーが、男の手でペニスをごしごしされて喘いでいる。それを隠れて覗き見るなんていけないと分かっているのに、乱れる獅琉がエロ過ぎて興奮が止まらない。 「やっ、あ……イく、イくっ……!」  やがて獅琉の体がビクビクと痙攣し、扱かれるペニスの先端から豪快に精液が飛んだ。 「はぁ、……あ、……何なの本当に……」  ベッドにぐったりと体を預けた獅琉から男達が離れて行き、代わりに今度はクローゼットから俺が飛び出す。 「じゃーん! 獅琉さん、サプラーイズ!」 「……え」  そこでカメラマンが入ってきて、ネタバラシの様子を撮影し始めた。 「獅琉さん、えっと、……サプライズです!」 「あ、亜利馬……。俺のこと、ずっと見てたの……」 「ばっちり撮らせてもらいましたよ、獅琉さんのエッチな姿」  悪者みたいな台詞を言うと、獅琉が「もう!」と笑って俺に枕を投げてきた。 「亜利馬、後でお仕置きだからね!」 「あはは、失礼しました!」  逃げるように部屋を出て、深呼吸を繰り返す。 〈よし、亜利馬くんありがとう。カットです〉  ここで撮影は一旦終わりだ。 「……あ、あの獅琉さん。大丈夫ですか?」  一度出た撮影部屋のドアを開け、バスローブを羽織った獅琉に問いかける。ヤラセ盗撮とはいえ、いきなり襲われる形になって獅琉もさぞ驚いたことだろう。どこかに体をぶつけたりしていないだろうか。 「びっくりしたけど面白かった! ていうか途中から気付いてたよ。クローゼットから亜利馬のはあはあ言う声が聞こえてたし」 「ええっ、聞こえてたんですか? 恥ずかしい……!」 「次のターゲットは誰なの? 俺も協力したい!」

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