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ブレイズ、素敵な冬休み!・8

「そ、それは……!」 「恥ずかしい!」  動揺する竜介と俺の横で、獅琉と潤歩は逆にしれっとしている。 「楽勝すぎるぜ、そんなモン。俺から言ってやろうか。……えーと俺の良いところは、セックスが上手い・男前・チンポがデカい。以上」 「潤歩早いな。じゃあ俺はね、肌に気を遣ってる・人にも気を遣える・タチウケどっちも得意……かな?」  照れることもなく言ってのける潤歩と獅琉。俺と竜介はまだ考えていて、「早く」と大雅に催促されてしまった。 「深く考えなくていいよ。思い付いたことを言えば、多分それが正解だから」 「じゃあ次は俺が言うぞ」  竜介が少し赤くなって、コホンと一つ咳をする。 「俺の良いところは……よく笑う・仕事を頑張っている・動物に好かれる、だな」 「最後、亜利馬」 「ええっ、ええと……俺の良いとこ……。えっと、……小さくて可愛げがある・みんなから愛されている・撮影中はエロくなれる!」  勢いで言い切った俺は、赤くなりながら「さあ次、次」とカードを集めた。こんなものはさっさと流してしまうに限る。 「さて」  俺の手からカードを取った大雅が、俺達四人の顔を見回して言った。 「今みんなが挙げてくれた三つの『良いところ』で、みんなが本当は自分をどう思っているかの気持ちを導き出すことができます」 「えっ?」 「ま、まさか……」 「心理テストだったのか?」  大雅がこくりと頷き、一つずつ指を立てながら言う。 「一つ目に言ったのは、『実は自分がコンプレックスに思っていること』。二つ目のは、『他人からこう思われたいと感じていること』。三つ目が『本当に自信のあるところ』です」  俺達は沈黙し、互いに顔を見合わせた。 「び、微妙……」 「微妙だなぁ……」 「微妙だった? ごめんね」 「いやいや、大雅のことじゃないよ。俺達の回答がってこと」 「うーん……」 「よっしゃ次!」  微妙な気持ちになりながらも、夜は更けて行く。  結局トランプ大会は朝まで続き、翌日は昼過ぎまで五人全員で爆睡してしまった。  これからブレイズ五人で迎える初めての冬。  初めてのスノーボード、初めての鍋に、初めてのトランプ。  出だしは順調、これからまだまだ楽しいことはたくさんある。 「亜利馬、亜利馬! コンビニでおでん買って来ようよ。帰りの車でみんなで食べよう!」 「やった! 行きます!」 「帰りは俺が運転すんだろうが。てめぇらだけで温かいモノ食おうとしてんじゃねえぞ」 「大雅と竜介さんは何食べますか?」 「大根とたまご」 「俺も同じ物でいいぞ」 「了解了解! 助手席で亜利馬が食べさしてくれるみたいだから、潤歩の分も買ってくるね!」 「からし多めでな!」  晴れやかな青空の下を、コンビニ目指して走って行く。  この二日間すごく楽しかったけれど、明日から始まる仕事もきっと楽しい。  結局みんなと一緒にいられれば、仕事も遊びも俺にとっては全てが最高の「挑戦」なんだ。

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