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亜利馬、人生最高の1日・8
「わっ、ちょっと……!」
今度はエプロンの前が捲られ、開いた脚の間に竜介と潤歩が顔を突っ込んできた。
「父親と息子が婿のペニスを間に挟むっていうのは、何だかエロいな」
「父親なら息子に譲るモンだろが」
「好物は分け合ってこその家族だろ」
勝手なことを言いながら、竜介と潤歩が俺のそこに舌を這わせてくる。
「あ、あ……」
ぞわぞわと這い上がってくる快感に腰が震える。俺は背中を倒し、後ろから胸を揉んでくる獅琉に寄りかかった。
「亜利馬、ちゃんとエプロン捲っててあげないと。竜介達がやりにくいって」
「あう、う……」
耳元で囁かれる獅琉の声。そういう周波数が出てるんじゃないかって思うくらいに、甘くて心地好い、鼓膜に触れるだけで感じてしまう声……。
「あちこち硬くなっちゃうところ、舐められるの好きだよね? 亜利馬のちんちん、早く気持ちいいことして欲しくてぷるぷるおねだりしてる」
だからその声でエッチなことを言われると、もうひとたまりもなくなってしまうんだ。
「はぁ、……あ、しりゅ、さんんっ、乳首……ふあっ!」
「亜利馬。俺も気持ち良くして」
ローテーブルの上に大雅が乗ってきて、俺を跨いだ。目の前でシャツが捲られ、ノンケの男でさえ気の迷いを起こしてしまいそうな真っ白のきめ細かい肌があらわになる。
「た、いが……」
薄ピンクの乳首に唇を被せて啄むと、大雅が心地好さそうな溜息をついて俺の頭を抱きしめた。
「んっ、んん、ぁ……はあぁっ……!」
竜介と潤歩の舌が、屹立した俺のペニスを撫でている。獅琉の綺麗な指が、俺の乳首を優しく抓っている。大雅は俺の頭を抱きしめながら髪を撫で、可愛い声を聞かせてくれている。
「亜利馬に、……童貞卒業のプレゼントっていうのも考えたんだけど、……やっぱりやめようってなったんだ。勿体ないから」
大雅が頬を染めながら俺の顔を撫で、胸元から唇を離させた。
「それは亜利馬が大人になった時、二十歳の記念までおあずけだね……」
「ん、ぁ……そしたら、大雅が俺の初めて、もらってくれるの……?」
「うん、いいよ。……約束ね」
「ん、……」
大雅の唇が、上から俺の口を塞ぐ。
「はぁ。可愛い子同士のキスって、何でこんなに興奮するんだろ?」
「おい、こっからじゃ大雅の体で見えねえんだけど」
「そうだな。ここからはじっくり鑑賞させてもらうとしよう」
潤歩と大雅が俺のそこから離れて、代わりに大雅がテーブルを降りた。その様子を見た獅琉が自分のスマホを取り出して言う。
「亜利馬、撮ってもいい? 俺達の大事な思い出に」
「え、……何を……」
「十九歳の誕生日は、大雅と。二十歳は亜利馬が大雅に。二十一歳は潤歩で二十二歳は俺、二十三歳の誕生日は竜介ね」
「も、もうそこまで予約がいっぱいなんですかっ……?」
いつものはちゃめちゃな冗談だと思って笑ってしまったけれど、スマホを構えた獅琉は穏やかな笑みを浮かべて俺を見ている。
「それでさ、俺達が今よりずっと年取ってお爺さんとかになったら、皆で一緒に見返そう。俺達五人が確かにこの時代を楽しんでたっていう、大事な証になるよ」
「あ、……」
「ずっと一緒だよ、俺達」
喉と鼻の奥がツンとなって言葉が出ない。代わりに俺はこくこくと頷き、開いた脚の間に体を入れた大雅を思い切り抱きしめた。
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