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親友との『援交』③
「わ、わり……痛かった、か……?」
玲也がおろおろと言うのが聞こえたが、俺はぼんやりしてしまっていた。感じた刺激が強すぎてなかなか戻ってこられない。
「璃緒?」
名前を呼ばれてそこでやっと、はっとした。
同時に、かぁっと顔が熱くなる。握られただけで射精してしまうなど。
「だ、大丈夫、か?」
「ああ……」
本当は顔を覆いたい。こんな真っ赤であろう顔。でも隠すほうがきっとおかしいから耐えた。感じたから赤くなっていると思われることを祈るばかりだ。
「えっと、び、敏感なんだな」
玲也はなんだか気まずそうにそう言った。そういうわけではまったくないのだが、そういうことにしておくしかなかった。
男を抱く、つまりひとが射精するところを見るなんて初めてだろうから、そう思いこんでくれた、のだと思う。
「え、っと。もうちょっと触っていいか……?」
「ゆ、ゆっくりしてくれ……」
「ああ」
確認するように言われた。
当たり前だ、まだ脱がして握るしかされていない。入り口も入り口だ。
俺はやっと言う。
本当に、ゆっくりしてもらわなければ身が持たないと思った。体も心も、心臓も。
玲也は俺の反応を見つつ、だろう。ゆるゆるとそれを扱きはじめる。
こんな散漫な刺激、普段なら勃起するかも怪しいものなのにびりびりと脳まで快感が貫いた。イきそうになるのを必死で耐える。
「ふぁっ、あ、んんっ、い……っ、あ、は、あぅ……っ」
身も心も不安定すぎて、玲也の背中にもう一度手を伸ばした。今度は耐えることなどできずにぎゅうっと握る。甘い声が出てしまってとまらない。
玲也はどう思うだろうか。
男に扱かれるだけでこれほどあんあん言うなんておかしいと思うだろうか。
それともこれも『仕事』だからだと思うだろうか。
不安に思うところだっただろうが、どうでもよくなりつつあった。甘い快感が身を満たしていて。玲也の大きくて骨張った手が気持ち良くてならない。
少し慣れたのだろう、力がこもって、くびれを軽く押したり先端を撫でたりしはじめた、玲也の手。
これはつまり、コイツがいつも一人でするときに気持ちのいいところを刺激しているところというわけで。
知った瞬間、前触れもなく腰で甘い快感が爆発した。
「うぁっあ、あぁーっ!!」
今度のものもさっきと同じだった。それどころか、意識は一瞬飛んだだろう。
びくびくと身を跳ねさせて、多分勢いよく精液を吐き出した、はず。これほど敏感になったことはない。ちょっと手で扱かれただけ、でなんて。
「はぁっ、はぁ……ぅ……」
続けざまにイかされて、というか勝手にイッただけだが俺はぐったりしてしまう。
既に体は限界だった。与えられる刺激が強すぎて。
少なくとも俺の受け取るものとしては強すぎて。
「わり……ヘタ、だよな……」
しかし玲也は自分が下手だから俺がこんなふうになっているのだと思ったらしい。しゅんとしたように言った。
そんなはずないだろう。下手だったらこれほど感じてイくはずがないのに。そんなことすら思い至らないらしい。
そう思わせておくのも可哀想な気がしたが、でも言うのは恥ずかしい。
けれど、やはり誤解されたままでは。
「いや、その、……う……、逆」
ぼそぼそと言う。
「え、よ、良かった、か?」
「悦くなきゃイかねぇよ……」
ぱっと嬉し気な声音になって言われるので、俺のほうはもっと恥ずかしくなってしまう。下手なのは本当なのに、それに感じてしまっているのは俺だから。
「そ、そっか……そんなら良かった……のかな」
「いいって言ってんだろ」
やりとりをしたけれど、お互いの頭にあったのはこのあとのことだろう。
極論、扱いて出すくらいなら男同士、というか親友同士でもやるかもしれない。ヌキあいというか。
でも挿入なんて親友同士では絶対にしない。だからこのあとに進んでしまったら、関係が変わってしまうのは明らかだった。
けれどここまできて進まないという選択肢はない。
一度でいいと思ったんだ。
内心ごくりと唾を飲んで切り出そうとしたが、玲也がその前に言った。
「あの、……進んで、いいか」
どきりとしたけれど、それより歓喜した。
俺をイかせて、男のこんな姿を目にして萎えなかったことに。
先に進みたいと思ってくれたことに。
ああ、本当にコイツに抱かれたい。
俺の胸は一気にはやった。
「ああ……」
やっとそれだけ言った。玲也はちょっと迷ったようだったが、そっと手を伸ばしてきた。俺の脚の間へと。さっきよりもっと奥へと。
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