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空っぽの夜②
「あ、っん、はぁ……っ、きも、ちい……」
甘えた声をあげて、買ってくれた男にしがみつく。抱きつきたかった。顔は見なくても、誰かがそこにいるということを感じたかったから。
ルームサービスのそれなりに美味しい食事のあとは、シャワーをしてやっとベッドだ。
時間がかかってもかまわない。
むしろ焦らされただけ客の満足が深くなることは今まで学習していた。
勿論このあとの行為でちゃんと仕事をしてやれば、だけど。
「レオくん……っ、すご……」
感嘆の声と共に、脚を大きく持ち上げて深くまで挿入される。腹がいっぱいに満たされた。質量だけ、は。
「や、ぁっ、おっき……」
客が喜ぶだろうことを言ってやる。俺の甘えた声には、更に激しい抽挿が返ってきた。頭が白く染まっていく。なにも考えなくて良くなる、甘美な時間。
こんな夜を過ごすことに罪悪感も後悔もない。だって俺にはそれしかないのだから。
代替えとしての行為。
それでもいい。なにもないよりずっとまし。
それだけはあのできごとがあったとしても変わらなかった。
たぶん。おそらくは。
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